桃の収穫最盛期を迎えた7月中旬。全国的に桃の産地で有名な山梨県。今回は山梨県北西部のJA梨北(りほく)が管轄する新府共撰所に旬の桃を求めて行ってきました。ここは選別された良質の桃を全国に出荷する中心地で、はね出しの桃も格安で手に入れることができることで有名。今回はその模様をレポート。

新府共撰所から眺める桃

朝から大勢の人

既にインターネット等で新府共撰所で格安の桃を手に入れることできることが知られており、関東近郊からこの季節桃を求めにやってくる人が多い。共撰所が稼働する日曜日にはAM9:00の操業前に2~3百人の列ができるとの情報を得ていたので、現地AM7:00前後に到着を目指し、AM5:00に自宅を出発。車で現地に向かいました。日曜日の早朝ということもあって、道中はすごくスムーズ。いつも休日は混む中央高速もところどころ交通量が多い場所もありましたが、快適にノンストップで最寄りの韮崎ICに到着。そこから一般道で10分程度で今回目的地、新府共撰所に到着しました。するとAM7:00前にもかかわらず、駐車場には車が何台も駐車してあり、50人程度の人が並んでいました。

AM7:00には既に大勢の人

どんどんあふれる人…

開始まで2時間余りもあったため、列の最後尾に持参した折り畳みの椅子に腰かけ、買ってきた朝ご飯を食べたり、読書をしたりして、気長に操業開始時間を待ちました。列の先頭に並んでいる人に何時から並んでいるか聞いたところ、栃木県の宇都宮をAM1:00に出発し、AM4:00頃到着したとのこと。その後もひっきりなしに車が入ってきて、車のナンバーをみると地元山梨のナンバーはほとんど見受けられず、関東各県や静岡県・長野県のナンバーの車ばかり。その人気の高さを感じました。AM8:00前後から桃の生産者方が各々収穫した桃を共撰所に搬入する軽トラックがピークを迎え、長閑な田舎の中にあって共撰所周辺内だけが、熱気に包まれる空間になりました。

大勢の人が列を作る

ついにはね出しの桃を購入

新府共撰所は山梨県内でも北部に位置するため、他の共撰所より少し遅れた品種の桃が流通。今回の桃は白鳳(はくおう)。甘くて果汁が多いのが特徴で、既に自宅近くのスーパーや百貨店に陳列されている品種。1個数百円で売られているものが、はね出し桃がひと箱、1,500円で買えます。ひと箱にはだいたい25個前後の桃が入っています。はね出し桃とは言え、見た目に傷がついたり、形が多少いびつだったりしただけの桃。味や品質には何ら問題は無く、口に入れてしまえば全く同じ桃。1個あたり数十円で手に入るので、交通費を掛けてきてもおつりがくる計算。今回は、桃2箱を購入。買ったその場で、持ち帰り用の箱(200円/個)に移し替えました。

はね出しの桃

共撰所では、はね出しの桃とは別に一般のお店で買えるような普通の桃や高級な贈答用の桃も買えます。一方ではね出しにもならない桃もネクター用と称し、数十個 1,000円で購入できるものも売っていました。桃は家族中が好きな果物。年に1回は気合を入れて、買いに行きたいと思います。早起きが苦でなければ、是非皆さんも足を運んでみてはいかがでしょう。桃の収穫が終わる8月のお盆休み前後まで操業してます。

ネクター用の桃 1箱 1,000円

JA梨北では、新府共撰所の他に大草共撰所、双葉共撰所がありますが、格安の桃を手に入れたければ新府共撰所がお薦め。周りにあまり目立つ建物が無いため、初めて行くときは迷ってしまうかもしれないので、事前に地図を見ておいて方が良いです。近くに国の史跡にも指定された新府城跡があるので、時間があれば立ち寄ってみてはいかが。戦国時代にその名を全国に轟かせた、甲斐武田氏最後の居城で、築城後わずか68日で織田信長に攻められ落城した悲哀の城跡です。